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< 【back】 【next】 > ひめ+剃毛=無毛の大地 ぬくい…、ぬくいぞコノヤロー! と、心の中でコタツのありがたさを叫んでいると、『ガチャリ』と玄関の扉が開く音がした。 この時間帯というかそもそも今帰ってくるとしたら俺か姉さん以外にあり得ない。 「おかえりんこ」 少しだけイタズラ心が芽生えたので姉さんにイタズラしてみたくなった。 「ただいまん…」 おしい。非常におしい…。そう思った瞬間に部屋の扉が開く。 「みのるくんのバカー!」 姉さんが顔を真っ赤にして走ってきた。小動物だから衝突しても大してダメーjふべら! 「バカっ!バカっ!バカっ!」 跳び蹴りを食らわせたかと思うと心地よい8ビートで踏みつけられる。 一撃のダメージは軽いがさすがに痛い。 というか姉さん、今日は情熱の紅ですか?セクシー系で攻めるには体型が… 「なんですって?」 マズい、声に出てしまったようだ。 「バカっ!氏ね!氏ね!氏んじゃえ!」 8ビートが16ビートにスピードアップした。まぶたが重くなりどんどん意識が遠のいていく。 もうろうとする意識で手を伸ばすと何かが手に触れた。 つい無意識にそれをつかみ引っ張る。すると蹴りの嵐が止んだ。 目を開けると姉さんが顔を真っ赤にして震えていた。 右手に赤い布。目の前に無毛の大地が広がっている。 「ぶぅあぁぁかあぁぁ!!!」 家が全壊するほどの大声で叫んだかと思うと脳が揺れて俺は意識を失った。 「痛たた」 まだ体の節々が痛い。蹴られた場所にアザができていた。 あら?服がめくれていないのにアザのできた腹が見える。 おかしいぞ、パンツも透けて見えるどころか俺のシュバルツバルトまで伐採されている…。 OTL 剃られた… そして見られた… いつまでも落ち込んでいられない。暖房が効いているとはいえ全裸は寒い。 自分の部屋に戻って着替えを漁ろうとしたが、何故か着替えが無い。 そしてポツンとメモが転がっていた。 『服は没収しました♯ 謝るまで返しません!』 やっぱり姉さんの仕業か…。だが剥かれて剃らて失うものはない、し怖いものはない。俺は全裸で謝る事にした。 お腹いっぱいになる程罵声と暴力を受けたが何とか許してもらえた。 今度は俺のターンだ。幸いに料理にこだわる姉さんがいるおかげで調味料に事欠かない。 これで即席媚薬の材料は揃った。後は夕食でご機嫌取りだ。 服も何とか返して貰って夕食。姉さんはまだヘソを曲げている。 だが食欲には勝てず、背中を向けながらもリビングに座って待っている。 今日のメニューはクリームシチューにしてみた。自分の好物であるマカロニも入れて…。 味にうるさい姉さんも一応納得がいったようだ。黙々と食べている。 俺は早めに食べて後片付けと仕返しの仕上げに手をつける。 「姉さん、先にお風呂入るよ」 「ん~、分かった~」 エアコンの効いた部屋から声が聞こえる。 これからちょっとした仕返しが始まるというのにのんきなものだ。 風呂に入ると再び落ち込む。ごっそりとシモの毛がなくなっているからだ。 自分がまいた種ではあるがあんまりだよ姉さん…。 全身を洗い十分に温まりお風呂から出る。 姉さんはテレビを見ていたがあまり面白く無かったのだろう。 俺の顔を見るなり自分の着替えを持ってお風呂場に向かった。 十数分後 脱衣所 姉さんは体を洗っているようだ。着替えはカゴの中にある。 俺は黒いショーツの股関の部分に即席媚薬を塗り付けた。 まだ姉さんは気が付いていないようだ。俺はリビングで姉さんを待った。 姉さんがお風呂から出てきた。 薬の効果が現れるまで少し運動させるとしよう。 「姉さん、お茶を飲むならついでに俺の分もお願い」 「え~…。う~、分かったよ」 テクテクとキッチンへ向かうとお茶の入ったポットとコップをとってきた。 「ごめん、言い忘れてた。氷もお願い」 「ブーブー。やだよぉ、どうせなら一度に言ってよぉ」 「いつも俺がやってるからたまにはお願い。お姉ちゃん」 二、三秒考えてからしぶしぶキッチンへと氷を取りに行った。 しばらく氷を使っていなかったので、氷同士がくっついて悪戦苦闘しているようだ。 ガンガン氷を叩く音が聞こえる。 「持ってきたよ…」 帰ってきた姉さんは心なしかモジモジしているように見えた。 ラー油をサラダ油で薄めた媚薬が効いてきたようだ。 「みっ、みのるくん。先に寝るね」 そう言うとそそくさと自分の部屋にこもってしまった。 もう少しモジモジする姉さんの姿を楽しみたかったが残念だ。 ~fin~ < 【back】 【next】 >
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注意 ここから下はかなり強烈かもしれないエロが含まれております そのため耐性がない方が見るのはお勧めしませんが 文章なので18禁ではありません 苦手な方はスルー推奨 伊万里 エロktkr! でも……あれ? 小さな先端を摘み転がしながら、藤宮は少女へ侵入する。白雪の如き肌は、桜を咲かせていた。 その心地は夢幻か、藤宮は女のように喘ぐばかり。その快楽の酔いっぷりと来たら苦痛に身を捩じらせる少女など構いなく、 (ああ、これはたまらん) なのであった。 「どうか抜きなさって。抜きなさって」 木の葉のような足で押し返そうとするも、藤宮、巨岩の如く動かず。 「蹴るでない。そうも動かれては我慢ならぬ」 小さき娘が動くたび、胎が擦れいちもつはどんどんと熱くなる。粟粒のような理性が無惨に腰を動かすことを躊躇わせていた。 しかし言葉を聞かず蹴るばかりに藤宮は我慢ならず、とうとう動いてしまった。その時の悲鳴といったら、絹と麻、どちらが裂けたものか。 「いたい。いたい。辛抱なりませぬ」 喚く娘など露知らず、藤宮は欲に脂をのせて昂ぶっていく。 (おお、これは良い。こちらこそ辛抱ならぬ) 伊万里、ついぞ諦めせめて和らごうと動きを合わせた。これが藤宮にとってより昂ぶることとなったのは言うまでもない。 膏どころか必要な肉すらない少女の身体は背徳の悦びに薪を注ぐ。藤宮はくべららた火に燃えながら娘を突いた。 いっそう乱暴になったと思った転瞬、藤宮が伊万里に組み付きながら奥へ奥へと進む。そして、 (俺はこの娘の胎を満たしておる) 娘に欲を溶かしたのであった。 伊万里の白く繊細な透明さと怜悧さを兼ね備えた面に浮かんだのは、 その外見の幼さからは想像もつかない、ドロドロに蕩けた果実の腐臭にも似た、あまりに妖艶であまりに淫蕩な微笑みであった。 吸い込まれる。 自分自身の意思をまるで無視して動く己の四肢に、藤宮の理性は必死になって制御を取り戻そうと指令を送り続けるが、解き放たれた感情―――獣欲という名の衝動に突き動かされる身体は、止まる事などありえないと言うかのように突き進む。 気が付けば、小さく柔らかな薄桃色の薔薇のような伊万里の唇と、藤宮の不器用な唇が重なり合っていた。 唇だけでは終わらない。終わるわけが無い。 まるで独立した意思を持ったかのように少女の真珠じみた歯を割って侵入した舌が、その温かな口腔のナカを楽しむかのように這い回り、侵略する。 甘やかな唾液を貪り、荒々しく欲深く己の半分しか綯いな小さな舌を絡め捕ろうと、そしてより奥へ奥へと侵入を果たそうと動き回る士郎の肉体の一部分。 呼吸を塞がれた伊万里が、酸素を求めて苦しそうに喘ぐ……いや、あるいは快楽を貪るがゆえの嬌声であろうか。 どちらなのか知りたい。今腕の中に居る少女の心を暴き、誰の眼からも隠された秘密の場所を自分の視線の下に曝け出させたい。 激しく胸を突き上げ、暴走気味に駆け巡る血液に乗って脳髄を打ち砕かんばかりに溢れ出す欲求に耐えられず、耐えることなどハナから考えず、藤宮は少女の両足の間、今だどんな男の前にも姿を見せた事が無いであろう部分へと指を這わせた。 ビクリと身体を震わせて、初雪を思わせる程に白く、筋肉などまったくついていないかのように細く柔らかな脚が反射的に閉じられる。 あまりにもわずかな抵抗。けれど、その抵抗に脅えたように引っ込められた藤宮の手を、しかし伊万里の手が掴んだ。 迷子の子供を導く母親のように優しく、漁師を誘うセイレーンの歌のように妖艶に、その手が藤宮の指先を、少女自身の秘所へと導いてゆく。 指先に伝わる熱いほどの熱と、そして指が沈んでゆきそうな肌の上を覆った―――ヌメリを帯びた感触。 「伊万里、濡れてる」 藤宮はそう、最愛の少女の耳元に熱い吐息とともに囁いた。 ~Fin~
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< 【back】 【next】 > 監禁稔 ニート姫 奮闘毒男 「起きてー、起きなさいよ稔くん」 いつもの何気ない日常で俺が姉さんを起こすときのように、姉さんが俺の意識を覚醒させようとする。 「う、ううっ……」 もう何度“これが夢であってほしい”と願っただろう。 でもやはり今日も違う、これは現実なのだ。 「もう。ダメだよ、三百六十五日休日だからっていつまでも寝てちゃダメなんだからね」 俺の閉じたまぶたの上から、通常のライトの何倍もの眩しい光が染み込んでくる。 目が焼けてしまいそうだ。 「ほら、起きて稔くん、もう朝だよ」 「うああっ……!」 光から逃れようと、目を閉じたまま顔をそむけると、 「あ、起きた?」 そう言ってから姉さんはハイビームを消した。 それでも俺の網膜に光の残滓が残っている。すぐには目を開けられない。 だが、このまま目を閉じていれば、姉さんにまだ寝たふりをしていると受け取られかねない。 姉さんの機嫌を損なえば、地獄が待っている。 視力の戻らない目を、痛みを我慢して強引に開く。 「今日はね、稔くんに会いたいってお友達が来たから、特別に家に入れてあげたの」 「……家に? 入れた……?」 誰をだ……? 「もう月曜日なんてやってこないもんね、だから学校のみんなも稔くんに会いたくてしょうがないみたい」 この地下室に続く階段から、明らかに姉さんのものとは違う足音がどたどたと聞こえてくる。 急ぎ足で階段を下りているのだろう。 やがて足音はこの地下室内に到着して、俺の目の前にもう一人の誰かが立った。 まだはっきりと物が見えないが、どうやら男のようだった。 「VIPからきますた。って、み、稔ッ!? おい! 大丈夫なのか?」 「その声……毒男か?」 「声って、お前まさか目が見えないのか!?」 「強い光で目がかすんだだけだ……すぐに治る……」 毒男は明らかにうろたえているようだ。 無理もない。全身傷だらけで、両手足を手錠で縛り付けられて椅子に座っているんだから。 「もう少しの辛抱だ稔! すぐにこの俺様が解放してやるからな!」 その毒男の言葉と共に、珍しく頼りがいがありそうな微笑みがうっすら目に映りこんだ。 ようやくまともに物が見えるようになってきた―― 「――ッ!?」 次に、俺の目に映ったのは。 毒男の背後で、姉さんが、髪をまとめている大きなリボンを―― 麻酔薬を染み込ませたリボンをほどいて――今にも毒男にそれを吸い込ませようと動いているところで―― 「うし――」 後ろだ。と叫んでいる途中で映像がスローモーションで流れる。 俺は絶望的な状況であることを悟った。 もう間に合わない。 「――うおおおおおおおおッ」 地下室に叫び声が反響した。 毒男の。 「え……?」 姉さんの体が、ゴムで出来たボールのようにはじかれて、壁に叩きつけられていた。 「かはっ……」 そのまま苦しそうに息を吐き出し、お腹を押さえて床に倒れこんだ。 「どうせこんなことだろうと思ったぜ! この毒男様を不意打ちで倒そうなんて甘ェんだよッ!」 俺はその瞬間、何が起きたのかを理解した。 姉さんの行動を予測していた毒男が、逆に姉さんを殴り飛ばしたのだ。 「おい、ひめ」 毒男は壁際の床で丸くなっている姉さんの側に立って言った。 「稔の手錠の鍵はどこだ」 「う……言うもんかぁ……」 「言え! さもなきゃお前が稔に与えた分と同じだけの怪我を負わせてやるぜ!」 「ゼッタイにヤダぁ……!」 毒男の脅しに対して、姉さんは駄々をこねて首をぶんぶんと振る。――涙を流しながら。 「……稔くんをここから出しちゃったら、きっとひめから離れちゃう……! そしたらせっかくの休日が終わって、また月曜日がはじまっちゃう……! そしたら稔くんはまた学校に行くようになって、他の女の子と付き合うようになっちゃう……! そんなのヤダよぉ……! げつようびも、稔くんがいなくなるのも、どっちもイヤだよ……!」 姉さんはぼろぼろぼろぼろ、涙を流し続けた。 毒男はそんな姉さんを見て、一瞬なんとも言い難い表情を見せた。 しかしすぐに元の怒りの表情に戻って、姉さんの服の襟を掴んで強引に体を持ち上げた。 「――ッ! このガキ!」 とさらに威嚇するように怒鳴ってから――なぜかその手を離した。 姉さんは床に足を着いた。 毒男はさっきまで姉さんを持ち上げていたその手をじっと見つめている。 「おい、ひめ」 毒男は床に膝を着いた。 「俺に……何をしやがった……?」 姉さんはしばらく腫れ上がった目で毒男を見下ろしていた。 そしてうっすらと笑い始めた。 「――ふふ、ふふふふは」 徐々に笑い声が大きくなっていく。 「――あはっ! あはははははははは! あふへふはひゃはは!」 狂った笑いが反響し、俺の鼓膜を揺らす。そしてこの数日で弱りきった俺の頭の中にがんがん響く。痛い。 「やっと効いた効いたー☆ 念のためさっき出したジュースに筋弛緩剤入れといてよかったー! さっきはもうダメかとおもっちゃった、あはは」 「この……がっ!」 倒れた毒男がまだ何か言おうとするが、それを遮って姉さんが顔面を蹴った。 「一般的に痺れ薬って言ったらわかるかな? しばらく全身が痺れてまともな感覚がなくなって力が入らなくなっちゃうの。 さーてどう料理しちゃおっかなー?」 そう言ってこの地下室の棚からワインボトルを抜き出し、 「考えなくてもいっか、面倒だしこれで殺っちゃお」 即座に頭を殴りつけた。 ボトルが割れて破片があたりに飛んだ。 毒男の頭が割れたのか、破片が刺さったのか、血が流れた。 そして割れたボトルの底の方から大体三分の一ぐらいが消えて、代わりにギザギザの先端が出来て――まさか。 まさかあれで、毒男を刺すつもりなのか!? 「お姉ちゃんっ!」 とっさに俺は叫んでいた。 「お願いだから毒男は許してあげてよっ! 俺はお姉ちゃんとずっと一緒に休日でもいいからっ!」 これは俺の本来の喋り方ではないが、姉さんには『姉さんではなくお姉ちゃんと呼ぶこと』『弟らしい言葉使いで話すこと』を強制されている。 それを無視することは簡単だ。だがここで姉さんを怒らせれば間違いなく毒男の命はない。 「ダメだよ稔くん」 姉さんはこっちを向いて言った。ぞっとするような笑顔だった。 「こいつは月曜日なの。稔くんを現実世界の苦難に引きずり込もうとする敵なの。 月曜日は一人たりとも生かしておいちゃいけないんだよ。――えいっ」 割れたボトルが振り下ろされた。 毒男の左腕に突き刺さった。 「――うがああああっ!」 「やめろおおおお!」 じわじわと床に赤い液体が流れる。 「もう、何度言えばわかるの? “やめてよお姉ちゃん”でしょ? ちゃんと弟っぽくしないとまた怒っちゃうよ」 そう言いながら強引にボトルを引き抜き、今度は毒男の右腕にぐさりと……。 「月曜日、か……」 毒男がぼそりと言った。 「まだしゃべる元気があるの?」 「月曜日がそんなに嫌なら死んじまえよ……」 忌々しそうに毒男が毒を吐く。 姉さんの表情が不機嫌なものに変わった。 毒男は弱々しく、だが強く動じない意志の光を目にして叫んだ。 「――月曜日ってやつはな! 仲間とつながる日なんだよッ! 苦しいこともあるだろうよ! だがそれを仲間と一緒に分けあって暮らすんだよッ! お前はどうなんだよ、ひめッ!」 「――うるさいうるさいうるさい!」 姉さんは怒り狂って毒男の背中や腕を刺しまくる。 「ひめには稔くんがいれば月曜日なんていらないのっ! 夏はクーラーをがんがんにきかせたお部屋でごろごろしながら一緒にマンガを読んで、 冬はコタツでぬくぬくしながら稔くんの作ったお鍋を食べるのっ! 一生休みがいいんだあああああああああっ!」 「この、ニート姫があッ! いい加減にしやがれえッ! お前も本当はわかってんだろうが! お前のお気楽極楽な日には学校の仲間たちとの日々も含まれているはずなんだよッ!」 「もういいッ! やっぱりこいつは今すぐ殺す!」 姉さんは割れたボトルを投げ捨てた。代わりに、もう片方の手にはいつの間にか注射器が握られている。 わざわざ毒男の目の高さに持っていき、それを見せ付ける。 「ねえ毒男、これが何かわかるかな~?」 「知るかよっ……!」 「稔くんは? わかる?」 俺は言葉に詰まった。おそらく、いや間違いなく、毒かそれに近い類の薬品だろう。 だがそれを認めてしまえば、何というか、毒男がこれから間違いなく死んでしまうことを認めてしまうみたいで、言い出すことが出来なかった。 「これはね、ひな……ひな……どこだったかな? まあとにかく、どこかの田舎町の診療所で作られた毒なの。 でも効果がちょっと変わっていて、これを投与された人間は急激に幻覚や妄想などの症状を引き起こしちゃって、 最終的に錯乱状態になって自分で自分の喉を引っかいて自殺しちゃうの。ハァハァガリガリガリガリしちゃうの。 ほんとかどうか試しに実験してみたかったんだー、あはは☆」 「やめ――!」 俺が叫びだすよりも早く、姉さんは手馴れた動作で毒男の首にそれを突き刺す。 「ろぉ――!」 「う、あああッ!」 液体が流し込まれると、すぐに毒男の様子に変化が起こった。 「ハァハァ……」 毒男はここから見ているだけでもわかるほどの大粒の汗をだらだらと流し始めた。 そして傷ついた両腕を動かして自分の喉に持っていく。 「おいっ! やめろ! やめるんだ毒男!」 「ううっ! ……あっ!」 姉さんの言った効果は嘘ではないようだった。 毒男は歯を食いしばって必死に耐えていた。 「あはははは! いつまで我慢できるかなー?」 「毒男! やめろ! やめてくれぇ!」 しかし俺の叫びもむなしく、 「ハァ、ハァ……ハァッ!」 ハァハァガリガリガリガリ。 喉を掻き毟り始めた。 「ドクオ――ッ!」 「ぷっあはははははははは!」 姉さんはひとしきり大きな声で笑い転げた後、俺の方を向いて立ち上がった。 こっちに近づいてくる。 「これでわかったでしょ? 月曜日なんていれば悲しい気持ちになるだけなの。それなら最初からなかったほうがいいの」 優しく諭すように俺に話しかける。 「毒……男……」 でも俺の頭に姉さんの言葉は入ってこなかった。 俺の目にも姉さんの姿は映っていない。 「聞いてる? 稔くん」 でもそれは毒男が死んでしまったからじゃなくて―― 姉さんの背後で、毒男が立ち上がっていたからだ。 「はっ!」 ようやく俺の視線の先に気がついたようだ。姉さんは振り返った。 血だらけになった毒男が、それでもなお、姉さんの狂気を跳ね返すほどの輝きを瞳に宿して――立っていた。 「もう一度言ってやるぜ!」 叫んだ。 「――俺を甘くみるんじゃねえッ! この毒男様が毒でやられるかよッ!」 「うそ……なんで、なんで動けるの……? なんで、生きてるのよぉ……?」 「お前が散々痛めつけてくれたからな、おかげで体の感覚が戻ってきたぜ」 毒男はふらつきながらも、じりじりと姉さんに接近していく。 「こ、こないで……ひめから稔くんを奪ったりしないで! 学校になんて連れて行かないで!」 「断る! 休日は今日で終わりだ! 言っておくが来月まで祝日はねえぞ! ――それと連れて行くのは稔だけじゃあねえ!」 そこで一息つき、毒男はまた新たな言葉を吐き出す。 「お前もだひめ! みんなで一緒に学校に通うんだよッ! 月曜日がなんだ! 一日過ぎちまえばもうそこは火曜日なんだよッ! その次は水曜日! そのまた次は木曜日だッ!」 「な、何を言ってるの?」 そして毒男はこう叫んだ。 「一日一日を大切に過ごそうってんだ! ――それが俺たちに相応しい暮らし方なんだよッ!」 < 【back】 【next】 >
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< 【back】 【next】 > 昼休み、勇んで昼飯を食べようとすると職員室に呼ばれた。 「藤宮、お前冬休みの宿題やってないな?」 年配の英語教師は、机に頬杖を付いて見上げる。 「やりましたよ」 教師の態度を不快に感じたが、こちらの品格まで落とす気は無いため、毅然とした態度で返答する。 「ところが出てないんだよなあ。お前のだけ、な」 冬休み、最終日に徹夜で宿題をやった。 カーテンを開けたときの朝陽が目に沁みたのを今でも覚えている。 そんな苦労をよそに、今になって英語の宿題が届いてないということで職員室で説教されている。 「いいか藤宮ぁ、お前がやってなくても誰も困らないんだよ。ただな、真面目にやってきたヤツがバカみたいだろう? 遊ぶ時間を削ってやったやつもいる。その傍らでお前みたいなヤツがいるとだな――」 どこにでもいる頭の固い教師。もう完全に俺が宿題をやってきていないと決め付けて話をしている。 「おいなにか返事をしたらどうだ、藤宮」 「・・・・」 さっきから進展のないこの問答が続き、いくら主張しても取り合ってもらえないため、バカバカしくなって目も合わせず返事をするのをやめた。 そんな俺の態度を見て次第に教師が苛立ち始める。 「まったく、ダンマリか。いいか―――」 教師は悦に浸るように熱弁を振るいだす。 そこに生徒への理解や信頼は無い。 単に自分の理想を生徒に押し付けているだけだ。 (どうして歳を取った人って言うのは説教くさくなるんだか) 辟易して辺りを見回すと、一人の生徒と目が合った。 ウェーブのかかった長い髪。童顔で華奢だけど、どこか大人びた印象を持たせる女子生徒。そして巨パイ。 (助けて!) その女子生徒とすかさずアイコンタクトをとる。 すごく嫌そうに首を横に振られた。おっぱいも揺れた。 (マジでお願い!) 軽く手を合わせる。 返答は・・・ 「藤宮、どこを見てるんだッ!!話を聞いてるのか!!」 「っ・・・・サーセン」 フラストレーションが溜まっていたのだろう。キッカケを手に入れた教師はついに怒鳴った。 「別に宿題をやってないからどうしようってんじゃないんだぞ!?認めれば済む話なんだ」 (もう認めようかな・・・) 立ちっぱなしでそろそろ足も疲れてきて、ここまで意地を張る理由も分からなくなってきた。 ここで認めてしまえば楽になれると思うと心が揺れた。 と、半ば諦めていたとき、さっきのあの生徒がトコトコとやってきた。 ?「先生、ちょっといいですか?」 「ん?なんだ、蓬山」 『蓬山』と呼ばれた女子生徒は俺を一瞥して先生に向き直る。 教師は怪訝な態度を取りながらも一応は話を聞く。 「あたし急ぎで藤宮くんに用があるんです」 「今の状況を見て分からんのか?後にしろ!」 「何かあったんですか?」 「コイツは英語の宿題をやってないんだよ。意地張りやがって認めないんだ」 「だから・・・っ!」 「え、そうなんですか?そんなはずはないんですけど・・・」 オーバーに驚いたあと、腕を組んで思案を始めた。 「あたしずっと藤宮くんの宿題を見てあげたんです・・・ねえ藤宮くん?」 (うおおお、ナーイス先輩!!!) 心でガッツポーズをとる。 地獄に仏とはまさにこのことだ。 「そうなのか藤宮?」 「わたくし藤宮稔は蓬山早紀先輩のスパルタ指導に感涙でした」 胸を張って堂々と答える。 女子生徒にいらんことを言うな、という風な目で見られた。 「そ、そうなのか?しかし・・・うーむ・・・」 「とりあえず藤宮くんを借りていきますね。もし本当に宿題をやってきていないのであれば『また』あたしがやらせますから」 「う・・・・わ、分かった」 何か言いたそうな顔だが言葉を飲み込む、歳をとった教師の殊勝な態度が滑稽だった。 「うう・・・昼メシ食べる時間が・・・」 職員室を出て時計を見るともう10分しか残されていなかった。 しかし、下手をすれば次の授業までもつれ込む可能性をも秘めていた。 それを救ってくれたのが 「もー、あんまり無茶させないでよね、稔くん?下手したらあたし推薦合格取り消されるかもしれないじゃない?」 「ありがとうございます!早紀先輩!ほんとになんとお礼を言っていいやら・・・」 「あはは・・・そこまでのことじゃないんだけどね」 この人『蓬山早紀』先輩。一つ上の3年生。 さっきのやりとりからも分かる通り先生の信望が厚く、いいところの大学を推薦で決めたほどだ。 そんな先輩と何の縁からかこうしてちょくちょく世話をしてもらっている。 世話っていうより大体俺が面倒ごとを押し付けているだけだが。 「あの先生、頑張っている生徒には熱心なんだけど思い込みが激しいから・・・。よく怒られている生徒を見かけるけど、稔くんみたいに手違いで怒られている生徒もいるかもね」 よく職員室に出入りする生徒からすればあの場面は恒例行事なのだろう。 こころなしか、周りの教師の反応も冷ややかだった気がする。 「いつもいつも大人はああやって決め付けて・・・子供が言いなりになると思っているんだ・・・!」 「うんうん、稔くんはちゃんとやったもんね?」 「もちろんですよ!」 「だよね!」 先輩は人を釘付けにする豊満な胸をなでおろした。 「まあ終わらなかったんで提出はしてませんけど」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほえ?」 「まったくあの野郎・・・!『宿題やってないだろ?』って言われたから『やりましたよ』って答えたんですよ!でも認めてくれないんですよ!」 「・・・・」 「そしてらもうカチンときましたよ!徹夜で頑張ったのにあれは無いっすよねー先輩!」 「・・・・稔くん」 「なんすか先輩!」 「永遠にさよなら」 「ちょ・・・・え?え?」 残りわずかな昼休みの時間は先輩のご機嫌取りで終わった。 < 【back】 【next】 >
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西にやたらと来るので、西に向かわせるキャラを多めに ただし南側からも敵が一体ほどやってくるので、そいつはマーガスでフォローしておこう 東南側の部隊はケイ1人で裁くのが吉。その場合は攻撃力を高めておかないと最初の3体が1度に倒せず泣きを見る。 (参考までにLv13・赤銅の指輪装備・スキル武の真髄Lv4で1ターンキルできるようになった) ケイのレベルが満たない場合はアンセムを同行させるといい。 6章「赤き獅子」とは違い、村人が全員離脱する前にクリアしても海賊の島へは進める 村人全員を助けると海賊の島へ 隣接会話 |主人公⇔アンセム ケイ⇔アウル マーガス⇔サシャ サシャ⇔マリー 隠しアイテム |左下たるの上で「蜜桃の甘露」 overwhelming victory |小さな金塊×2 ロカの有機果汁×1 月光草の滴×1 月光草の朝露×2
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< 【back】 【next】 > 向日葵先生と遊んでたら先輩が釣れた 「あ、稔君 お昼休みになったら校舎裏に来なさい いいわね?」 男子トイレで用を足し廊下へ出た直後、金髪ロングのメガネ白衣美人と遭遇 二秒で用件を言われ、五秒後にはもうその姿が無かった 向日 葵(ひなた あおい)先生 何故か毎回、奇妙な仕事の手伝いを頼んでくる我が校の物理教師だ 「貴重な昼休みの時間を浪費したくないけど、行かなかったらまた大騒ぎになるんだろうな」 憂鬱な気分から思わず独り言と溜息が洩れる 「現場の藤宮です。これから校舎裏にて向日葵オン☆ステージが始まろうとしています」 「稔君 遅いわ! そんな事だから敵は金星から月まで来るのよ!」 「スタジオの楓さ~ん、今の台詞の解説をお願いしま~す」 校舎裏に植えられた楓の樹(樹齢?歳 擬人化妙齢美女)に話を振ってみるものの、答えは返って来なかった 「・・・・まさか・・・・稔君まで奴らに洗脳を・・・・」 流石にこれ以上続けると自分の身が危険に晒されそうな予感がする 「いやいや、この資材の山と変な機械群を見たら誰でも現実逃避したくなりますよ」 木材、竹材、ロープ、アンテナ、針がブレまくる計器類の類、演算を続ける数台の大型電子機器、羅針盤、メトロノーム それらを繋ぐ大小のコードが犇(ひしめ)き、地を這うミミズの如くウネウネと何処かへ伸びている アルコールランプで熱せられた紫色の液体がボコボコと煮え滾り、黒色火薬のような粉が天秤に揺られリズムを刻んでいる 無数の歯車で箱状に組み上げられた物体からは数本のレバーが飛び出していて、これが何の役に立つのか予測すら出来そうにない その奇妙なオブジェが持つ幾何学的な、それでいて非幾何学的な構造は常人には理解出来ないある種の美を感じさせていた コメディ映画に出てくる狂った科学者の実験室のような光景に正気を奪われそうになる 「んで、俺に何をさせたいんですか?」 「アメリカ・マサチューセッツ州、ミスカトニック大学の神智学研究グループと友人から送られてきたデータを元に奴らを捕獲するの」 「友人って例のランドルフ・カーター氏ですよね・・・・」 「そう、いい稔君? あの植え込みは先月の二十七日、園芸部の女の子が枯れ枝で指を刺したところ」 なんの変哲も無い植え込みを指差す先生 「そして、あの樹は枝に積もった根雪が今月初めに男子生徒の頭に落ちて来た所」 と、今度は先ほどの楓さんを真剣な目で見つめる 「この二つの特異点を結ぶここ! 今、私が立って居るこの場所に罠を仕掛けるのよ!」 程なくして木材とロープを使った罠が完成した 日向先生のお手伝いは稀に技術が身に付く事がある ジャングルでゲリラ戦をする兵士か船乗りにでもならない限り、ロープワークやトラップ作成知識が将来役に立つことはないだろうが 「えらく原始的なトラップですね、あの機械群は使わないんですか?」 「Simple is the bestよ! 気にしたら負けだわ あとはこの餌を配置すれば・・・・」 包装されたままのメガマッ○を地面にそっと置く仕草が少し可愛いらしい じゃなくて! 「先生、いくらなんでもその餌は無理ですよ」 「どうして? 美味しい物に釣られるのは宇宙の真理よ! 奴らとて例外はないわ」 「・・・・・自分で掛からないでくださいよ? 三度目は助けませんからね」 「うっ、だ、大丈夫よ それより稔君 放課後、奴らが捕獲されてないか見に来てくれないかしら?」 「特に用事はないからいいですけど」 「私は職員会議ですぐに来られないからお願いね、本命は夜間だから捕獲されてなければ罠はそのままでいいわ」 不意に五時限目の予鈴が鳴り響き、俺の貴重な休み時間は終わりを告げた 放課後、無駄だとは思いつつ校舎裏へと向かう 万が一、野良猫や野良犬が掛かってたら可哀想だ 「先生が言ってる【奴ら】ってどんな姿してんだ?」 ちょっとした遊び心から空想してみる ーぶよぶよと定まらぬまま、丁度ナメクジの触手の如く突き出し白濁した眼球はピンポン玉大 ー蛙のようなイボだらけの胴体は、腐敗臭がするゼリー状の粘膜に覆われた醜怪な肉の塊により構成され ー緑色の体液らしきものが青白い表皮を通して体内で流動している様子が窺える ー猛禽類の鉤爪を具えた手先からはどろどろとした猛酸性の毒液が滴り落ちて刺激臭を漂わせ ー出鱈目に生えた触手がてらてらと虹色に鈍く輝き、誘うような動きを繰り返す 気分が悪くなった そんな生物がいたら悪夢以外の何者でもない くだらない妄想を振り払い、校舎の角を曲がるとそこには・・・・・・・・ 罠に嵌った早紀先輩が海老反りになりながら地面に倒れていた 捕縛された先輩の体には数条の縄がキツく食い込み、豊かなボディーラインをいっそう強調させているかのよう 焦点の合わない瞳は熱っぽく潤んで彼方を見つめ、開いた口から流れた唾液が紅潮した頬へと伝い落ち続けている 「ちょおおおおぉ!! せ、先輩! 大丈夫ですか!?」 予想外の事態に混乱しながらも駆け寄って罠を解除し始める 「み・・・の・・る・・・くん?」 「そうです! 藤宮ひめの弟の稔ですよ」 声をかけながら手早くロープを解いてゆく 単純な罠だけに、数十秒ほどで救出することが出来た 「どっか痛みますか?」 「えっとぉ」 「なんでこんな見え見えの罠にかかってるんですか?」 「ん~?」 未だ、心ここに在らずな早紀先輩の話を要約すると、 「つまり、財布を忘れたから昼ご飯が食べられなくて空腹のあまり?」 「つい・・・」 「いや、つい・・・で落ちてる物を食べようとしないでくださいよ」 「稔くん、好き嫌いは駄目よ」 「そうぢゃなくて!! あ~もう、先生になんて言えば」 先生? あ、ヤバイかも ガシガシと頭を掻く手を止めて対策を考える 「先輩、お詫びということで今からメガ○ック食べに行きませんか?」 「いいよ お詫びなんて」 腕を組み、口元に人差し指を添えた例のポーズでやんわりと断わる先輩 だがここで引く訳には行かない 「いえ、このままだと先輩が解剖されちゃいますから・・・」 素早く早紀先輩の手を取り、強引に校門へと走り出す 「んもぅ しょうがないな~」 俺は一刻も早くこの場を離れることに夢中で、いつもの口癖を言いながら浮かべた先輩の優しい笑顔を見ることはなかった 終わり 先輩は腹黒いんじゃね的SS 先輩(私的イメージ) 臥薪嘗胆。中国の故事。 昔から好きな言葉で、目的のために耐え忍ぶ様は美しい、と心から思っていた。 「早紀ちゃん遊びに行かない?」 「ごめん今日は無理かな」 「えー、いっつも無理ってー、たまには遊ぼうぜ?」 「あはは、本当にごめんなさい」 こんなくだらない連中にも笑顔で付き合っている自分を褒めたいぐらいだ。 何の因果か、恵まれた容姿に生まれた。 別に私はナルシストでも自己中心的な考えを持っているわけでもない。 テレビや雑誌でもてはやされた人間と自分を相対評価する。たったそれだけ。 「早紀ちゃんってかわいいよねー。芸能人って言っても通用するよー」 「えー、そういうの自分じゃ分らないよ」 なーんてね。 テレビや雑誌を見て誰それと誰それを比べてどっちが可愛いか比べられるのに、自分が絡んだ途端に分からなくなるはずがない。 だから言うが自分はまぎれもなく綺麗な部類に入る。 簡単だ。相対評価しただけなんだから。 「先輩って綺麗だけど性格悪いっすよね」 「そう?」 そして、自分は相対評価すれば性格が悪い、とも。 1月、受験やら何やらで忙しい人が多い中、とっくに合格した自分はといえばずっと 学校で友達の面倒を見ていた。 「早紀、ここの文法分かんないんだけど」 「あ、それはね…」 もっとも、こちらは友達と思っているわけではないんだけど。 だからといって付き合いをないがしろにして友達がいない、となると社会的ステータスは不利。 そんなわけでこうして放課後の時間を使って勉強を教えてやっている。 「あー、センター試験まで時間ないのにこれじゃ終わりだよー!」 「まだ大丈夫だよ、諦めないで!」 と、気休めを言ってあげるのも友達付き合いのパターン。 まったくずいぶん友達がいがあるな、あたし。 「あ、ところでさー早紀、昨日のアレ見た!?」 「アレ?」 「アレだってほらテレビでやってたやつ!」 アンタ勉強なさいよ。2つの意味で。 ピーピリリー♪ 「あ、早紀ちょっとごめん携帯鳴ったから!」 「うん」 やれやれ。 こんなので友達だっていうから頭が痛くなる。 「あーもしもし?あ、タカシ?今学校の人に勉強教えてもらってるのー」 が、学校の人・・・? 「あーうん分かったー、すぐ行くー!」 ………ちょっと待て。 「ごめん早紀!用事出来たから行くね?じゃ!」 ………いや、何も言うまい。 「ね?このホットいちごミルクも捨てたもんじゃないでしょ?」 「うん、おいしい」 「よーし自身を取り戻した!実はこれ伊万里に言ったら不評で・・・」 「アハハ・・・・けど藤宮くんのおごりでいいの?」 「まあ俺が勝手に飲ませたんですから」 帰り際、1つ下の後輩“藤宮稔”に出会った。自販機の前で。 正直に言えばこの子は“苦手”だ。できれば会いたくない。 しかし別段することもなかったので、彼の誘いで空いた教室でこうして飲み物を飲んでいる。 あーでもこれ、ほどよい酸味が鼻を抜けていっておいしいなー。 「幸せそうに飲みますねー」 「だって美味しいから・・・」 というかそんな顔してた? 「ってかププ…!飲ませておきながら言うのもアレですけど似合わないっすねー早紀先輩!!」 「な、なにが?」 「早紀先輩って優雅に紅茶飲んでるイメージあったから」 ほっとけ。 こういったものも好む、まぎれもなく一般大衆の一人だ。 「で、先輩なんでこんな遅くまで残ってたんですか?」 「ん?ちょっとクラスメイトに勉強を・・・」 ……。 「早紀先輩ってばそういう偽善好きですよねー」 「あ、またそうやってバカにするんだね?」 「だって本当はやりたくないでしょ?」 「・・・」 この子は、正直苦手だ。 「こんな放課後残ってまで勉強教えて、しかも相手は途中で帰っちゃうとか。俺だったら殴ってますよ」 「・・・暴力反対」 「まあ先輩ってそうやって苦労してる自分が好きだからなー」 「藤宮くん?いいかげんにしないと怒るよ?」 「すでに怒ってませんか?」 「ギロリ」 時々、この子の一つ一つの言葉がグサッとくる。 でもその言葉が胸の固まった心を溶かしてゆく。 「は、ハハ、冗談っすよ冗談!!怒んないでくださいよ!」 「怒ってないよ。もう勉強教えてあげないけど」 「ちょっとそれは困るっすよ!今期ヤバいんすよ!」 そして、どこまで自分の本心か分からなくなる。 それは心地よくて… 「なーんちゃって。ジュースおごってもらった分は返すよ」 「あぶねー!ジュースおごっておいてよかったー!!」 苦手なのに、こんなやつ。できれば会いたくない。 会う前はそう思って。話してる途中でそんなこと忘れて。 いつのまにか次に会う約束までしていて。 「おごってもらった分だけだからね」 「先輩を1時間雇うと幾らになるんですか?」 「1000円」 「安っ!」 「・・・・ねえ別のこと考えてないかな?」 「あっ、いや・・・・ま、まさかアハハ・・・さあジュースも飲み終わったし帰りますか!!」 そして別れる時に“苦手”なんだと再び思い出す。 「あ・・・うん」 「じゃ、夜道には気をつけてー!」 別れるのがこんなにも辛くなるから。 だから、会いたくない。 < 【back】 【next】 >
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ランブルフィッシュ 太平洋に浮かぶ小島、小笠原の海に夕闇の帳が下りる 水平線を朱に染めた遥かな紅玉と入れ替わりに、その光を受ける無垢な真珠が天に昇る。 天蓋は紅藍の狭間に染まり、気の早い観客がその座を占め始めていた。 是空と素子は学校から程近い砂浜に訪れた。 是空はいまだに信じられない思いがする。 あの原素子が自分の隣を歩き、息をし、そして彼女と会話を交わしているのだ。 彼女に会うために駆けた幾千の戦場。その褒賞として彼女に万感を込めた一言を贈るチャンスを得た。 しかし願いを成就した今も彼女への思いは細ることなく、ますます確固としたものになるのを感じていた。 是空は素子との時間を、藩王としての責務と個人としての恋情を両立させなければならなかった。 藩王としての仕事は学校で終わり。ここからは大事な彼女との時間だった。 潮騒のなか並んで歩く二人。 月光の下、白砂に青く浮かびあがる妙齢の女性。そのあでやかさと、つかの間見せる危うさにより彼女から目を離すことを許さない。 素子が砂浜を歩くそのたたずまいがあまりに現実味に乏しく、不意に切迫した思いが胸を突き、是空は思わぬ言葉を掛けていた。 「寒くない?」 自分の言葉を聴いた是空は、亜熱帯の島で使うことの少ないその言葉の間の抜け具合に動揺したが、こぼれたミルクは戻らない。 是空の視界の素子は、口元に猫科のいたずらげな笑みをたたえつつ是空に振り向いた。 「29度が?」 素子の目が是空を見る。 からかうような、そして彼女の生き方のようにまっすぐな目は、是空が浮かべる自嘲とも羞恥とも、それらを見せないようにする虚勢すらも読み取っていたのだろう。 しかし素子は単なる少女のようにたわいもなく笑った。 彼女はいかに浮世の泥土にまみれてもどこか純粋な部分が残っており、それが時たま顔を見せる。 その部分がたまらなくチャーミングなのだと彼女の信奉者達は考えていた。 素子の笑顔に救われた気分になった是空は素子の横に並ぶと、気を取り直して会話を続けた。 「公式には初デートになるのかな? ここのところ藩王会議会議の毎日で、すまんかった」 是空は手刀を眼前に立てつつ、ちょっとおどけた様子で目礼までして見せた。 「あら、こっちはこっちで楽しんでるから」 素子は軽く答える。 それはそれで寂しいものなんだがな、と是空は思いつつ真摯な顔で素子の横顔を見つめた。 是空の視線の意味に気づいた素子は、またもやいたずらげな笑みを浮かべる。 無言の視線で是空の言葉を促す。 是空は大事に暖めてきた思いを言葉に乗せる。 「素子、君にちゃんと言いたいことがあったんだ」 静かにそして決意に満ちた言葉。 「あら、それは外向きの話? それとも……」 素子は軽やかに言葉を返す。 「いや……個人の……」 是空の思いの丈が言葉を途切らせた。 素子は是空の言葉を咀嚼し吟味するように間を置くと、是空の目を覗き込んで言った。 「んー。どうも信用ならないのよね」 そうしてまたいたずらげに微笑む。 是空は理由の無い焦燥感に駆られつつも、表面上は「おいおい、なんてこった」と両手の手のひらを上に向け肩の高さに上げそうな表情で、しかし本当に伝えたいことを告げる。 「お前に同一存在が居れば、今の俺とお前の影響を受けてきっと幸せになってるだろう。俺はすべての世界のお前を幸せにする漢だから」 素子を見つめつつ是空は更に続ける。 「たとえお前がほかのヤツの女だったとしても関係ない。どんな世界でも、俺はお前が幸せになるために働いてるはず。そういう良い話なんだぜ」 最後に是空はおどけて見せた。 真剣さを軽さのオブラートに包んでみせる。 本心を見せることに羞恥を覚える年長けた男の処世術の仕業であろう。 そんな是空に素子は言う。 「貴方の言葉には、いつもすこし嘘が混じってる」 是空はいつしか受身に立つ自分を自覚した。 「アイドレスでは有名なんだぞ。『女にはウソはつかない』」 次の言葉で体勢の立て直しを図る。 「お前さんが記憶喪失になろうと、時間犯罪者になろうとそれだけは真実だ」 「私の同一存在は全部死んでるわ。私の主観ではなね。200年も前の話」 素子は何の動揺も無く事実を伝えた。時間の超越者が持つ達観が素子に現れる瞬間、是空は彼女が只人ではないと無いと思い知らされる。 是空はひるまない。彼女に届けと言葉を繋げる。 「じゃあ、俺は目の前のキミを全力で幸せにする。だから、戦場にも出す」 素子は是空から視線を外していた。 「はいはい。そうでしょうね」 せっかくの言葉が取り合ってもらえない焦りを感じた。 レイカのエピソードを出し、場の雰囲気を変え流れを取り戻そうとした。 是空は思いを言葉で補うために素子に言った。 「俺は俺の手の届かないトコで死ね。と言うのは基本的に嫌なの。俺かお前が死んだら俺たちの国はお終いなんだからな」 そして最後はやはりおどけて微笑んで見せた。 素子は是空のそんな笑みを横目に見て、小さく息をつくと足を止め月下にたゆとう青い海を見やった。 素子は是空に背を向けたまま、誰に聞かすとも無くつぶやいた。 「私はどうせ、その時その時の男に利用されるだけ。もういいわ、それでも。その瞬間は、嬉しいから」 彼女が経てきた年月にどれだけの出会いや別れがあったのだろう。 情の厚い彼女が刻む年輪はなまなかなものではなかったと思われた。 素子の髪が風をはらみ白いうなじをあらわにした。 青い光の中にそれはあまりに儚げに感じられた。 是空は素子をひとりにしないために彼女の隣に立った。 そして彼女を寂しくさせないために、そして大事に思うがゆえの言葉を告げた。 「はいはい。充分利用させてもらいますよ、俺の幸せのために」 素子は隣に立った是空をニッコリにらむと、その優柔を両断した。 「とおるくん。他人が笑うのを気にしている間はペンギンの奥さんにもなれないのよ」 素子は今日初めて是空を名前で呼んだ。 頭があがらんなぁ、是空は思った。しかし是空は素子に届けるための言葉を惜しまなかった。 小笠原の夜には都会の大気の下では見られない天に輝く星々を見ることができる。 星が降るようだと人は言う。 人は星を掴むことはできるのだろうか。 否、という人もいるだろう。是、という人もいるだろう。 手を伸ばさねばつかめない物事は、手を伸ばさずに是非を知ることはできるのだろうか。 ここに先達が体現した物語がある。 届かぬ手を伸ばし続けて己が星を掴むことをあきらめなかったお話が。 そしてその星が告げる。 「自分次第」と。 至言であり厳しい言葉だ。しかし星は掴めるのだ。 エピローグ 【30分後 小笠原のある波止場】 月夜に浮かぶコンクリートの波止場の上、タイトスカートの裸足の素子に膝枕される是空。 「顔のない男……いずれはそうなりたい…… 俺がお前さんをずーっと覚えてるから許してくれ」 そして是空は寝転がったまま器用に肩をすくめ、おどけて見せる。 「で、また会ったら口説きなおす。楽しみがふえるだろ?」 素子はこぼれるように輝く笑みを漏らす。そして女神は裁定した。 「その言葉には嘘がない」 是空は沸き起こる高ぶりのまま、素直な言葉を告げた。 「素子…… 愛してる」 素子は是空の顔を見つめ、やさしく微笑んだ。 是空の唇に白い人差し指で触れ、その形に優しくなぞった。 指が離れる。 陶然とその感触を楽しんでいた是空が素子を見上げると、笑みの形がその中身を変えていた。 素子は腹腔に「怒」として高まった内圧の命ずるまま、雄雄しく宣言する。 「泣いてエースやめますと、言わせてやる」 是空はそんな素子に魅入られ圧倒されつつ、男の矜持をかき集めてニヒルに笑って見せた。 「逆だね。お前さんにこそ時間犯罪者やめますと、言わせてやる」 波止場の突堤に寄り添いにらみ合う男女が一組。 月明かりに伸びるいびつな影。 上下に結ばれた視線の距離が縮まるとともに、一時の永遠が恋人達に訪れた。 小笠原の夜はその海と同じく青く深い。 潮騒が全てを満たし宵闇は密度を増していった。 九頭竜川 2007.10.9上梓
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< 【back】 【next】 > 夕方 自宅 ほのぼの ガチャ 「稔君、おねえちゃんお腹すいたんだけど~・・・ってあれ?お電話中?」 「あっ、ねえちゃん。ごめん、ちょっと待って」 「あぁ、ごめん毒男。あぁ・・・うん。じゃ、それで。じゃあな、毒男」 「稔君、明日お出かけするの?」 「あぁ、久しぶりに毒男と街までね」 っと、充電器、充電器、最近の携帯は減りが早くて嫌になるな。 ん、あった、あった。 「ふぅ~ん・・・・今度はお土産忘れたらやだよ?じゃ、先に下に行ってるよ」 ん?お土産ってなんだ?・・・ってもういないしな。とりあえず下行きますか。 下に着くとわが姉は、テーブルに座って足をパタパタさせていた。 冷蔵庫を開けてみると、買い置きの野菜とともにカレーのルーが残っていた。 「カレーでいい?」 「いいよー」 なんとも能天気な声だこと、すこしは手伝おうとしてくれてもいいんじゃないのかねぇ。 まぁいいや、心の声を放置してまず玉ねぎから片付けていくかな。 「ねぇ、何かすることない?」 二つ目の玉ねぎを刻んでいるところで声をかけられた。 「珍しいな、明日は雹でも降るのか?」 笑いながら答えると 「ふっふっふっふっふ・・・・・がぶっ!」 「おぉぅい、何をするだー!!」 こ、こいつ、なんて危険な奴なんだ、いきなり人の首に噛み付くとは・・・ 「んっふっふっふっふ、豹になってみました」 「字が違うだろうがッ!それに俺はサバンナを駆け回るインパラやらじゃなく人間だッ!」 「細かいことは気にしない、気にしない。それで、なにかやることないの?」 はぁ、泣く子とねえちゃんには勝てないな・・・ 「まったく・・・じゃあ、ジャガイモ頼むわ」 「わかったー」 ふぅ、振り回されッぱなしだな、俺・・・ 「ん~、やっぱり姫が、手伝っただけあって美味しいねぇ」 「皮むきだけじゃないっけ?」 「うるさいな、皮むきも大切な仕事だよ?ん、いつもと違うけどこのお肉、何の肉?インパラ?」 お姉さま、まだそのネタ引きずるのですか? 「んなわけあるかよ、マトンだよ。」 「ふーん、ねぇ、明日、遊びに行くんだよね?」 「ん、あぁ、街までね」 答えながらスプーンを動かす作業に戻る、んー、我ながらよくできてるな 「お友達と仲良くするのもいいけど・・・・ お姉ちゃんのこと忘れちゃだめだよ?」 「こんな手のかかるの忘れたくても忘れられないよ」 笑いながらのってくるだろう答えを答えたが 「そう、ならいいの」 ん?いつもと違うな 「さてと、稔君食べ終わった?持ってきたいんだけど・・・」 「ん、あぁ、はい」 「じゃ、持ってくね・・・あっ、そうだ、ねぇ稔君・・・」 「ん、何?」 「今日一緒に寝てもいい?」 はぁ、いきなり何を言ってるんだ、この姉は頭が痛いな 「いいわけないだろ、一人で寝てくれ」 無下に断ると、頬を膨らませながら 「稔君のけちッ!!」 そう言って台所への扉から出て行った。 < 【back】 【next】 >
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